[CUPSシリーズ9]
原子核・素粒子物理学シミュレーション
(DOS/V用ソフト付)


Roberta Bigelow・Michael Moloney・John Philpott・Joseph Rothberg 著
山田満(茨城大学理学部数理科学科教授)・野田二次男(同) 訳
B5・240頁・4,800円/ISBN4-303-55760-9
初版1997年12月発行


【注】Windows98以降では、多くの場合動作しません。ご注意ください。

 概 要
この本のシミュレーションはパソコンの能力を活用して講師や学生に物理学を教え学ぶ新しい機会を提供し、極めて重要な体感を育てるのに役立たせることを目的としている。テキストは読まずにプログラムを使うこともできるが、この本はその基礎となっている物理を理解し、その上でプログラムをいろいろと利用する方法のヒントを提供している。

我々はこの本に書かれているコンピュータプログラムを指すのに「シミュレーション」という用語を使っている。この用語はいろいろな物理的システムのモデルの、複雑なしばしば実際的な計算を行い、その結果をグラフィカルな(しばしばアニメーションとして)画面で出力することを含むプログラムを指したつもりである。シミュレーションの多くは数値的な出力、時には他のプログラムで解析するための出力ファイル形式のものを出すこともできる。ユーザは通例システムの各種パラメータを変更することができ、そうした場合システムがどんな動きをするかをリアルタイムで学ぶことができる。
 
 実行できるシミュレーション
NUCLEAR (核のエネルギーと計測)
約1900核種についての質量、電荷、およびエネルギーに関する原子核の基礎的性質を扱う。結合エネルギー、質量、およびアルファ崩壊とベータ崩壊を含む核種の原子核反応のQ値に関係するグラフを描かせることができる。第2部ではガイガー-ミュラー管による計測統計のシミュレーションを扱う。この部分はまた中性子による放射化と中性子束照射を始めるときと止めるときの計測特性をシミュレートする。最後に核種AからBを経てCに至る崩壊系列がシミュレートされる。ここでは核種の半減期を変えることができ、原子核数が時間の関数としてグラフに描かれる。

SHELLMOD (原子核のモデル)
単一粒子殻モデルを使って、球形の核と変形した核のエネルギー準位が計算される。核ポテンシャルの型、スピン-軌道相互作用、そして変形がどのように核エネルギー準位の順序と間隔に影響を及ぼすかをみることができる。加えて、単一粒子状態のスピンとパリティをどのように予想するかを学ぶことができる。

NUCRAD (放射線と物質の相互作用)
アルファ粒子、ミュー粒子、電子または光子の物質との相互作用をシミュレートする。飛程、エネルギー損失、粒子のランダムな経路が物質、放射線の種類、入射エネルギーにどのように依存しているかを学ぶことができる。一例として、ヨウ化ナトリウム結晶中での光子と電子の相互作用を研究する。それは、放射線検出器のエネルギー応答を決定する。

ELSCATT (電子-核散乱)
このプログラムは、原子核による電子散乱のいろいろな側面をシミュレートする対話型ソフトウェアである。これは、電子散乱の相対論的運動学、弾性散乱および非弾性散乱での密度や形状因子、核のクーロン応答を含んでいる。核構造の詳細な情報が電子散乱の測定からどのように得られるかを示す。

TWOBODY (2核子の相互作用)
このプログラムは、2核子問題の多くの側面を解明できる対話型ソフトウェアである。束縛状態の波動関数や性質が、非中心力相互作用項をも含む核種の相互作用について計算される。pp、pn、nn散乱でのフェイズシフトや断面積が計算され、実験の結果と比較される。断面積のスピン依存性が広範に研究される。シミュレーションは、2核子データの豊富さと背後にある核子-核子相互作用との関連を示す。

RELKIN (相対論的運動学)
散乱反応と2体崩壊の相対論的運動学を探求できるようにする対話型ソフトウェアである。多数の始状態および終状態を選ぶことができる。また、ビーム粒子の運動量や2次粒子の重心系での角度を指定できる。このプログラムは、実験室系と重心系の両系での終状態の運動量ベクトルを描く。このプログラムはモンテカルロ・モードで走らせることもできる。そのときには散乱プロットと選択された変数による棒グラフを示す。粒子のデータベースはユーザにより変更できるし、新たな反応や崩壊のモードを付け加えることもできる。

DETSIM (粒子検出器のシミュレーション)
崩壊粒子または散乱反応のパラメータを決定する方法を探求できるようにした対話型ソフトウェアである。このプログラムは、散乱や崩壊における終状態に対する高エネルギー粒子検出器の応答をシミュレートする。エネルギーや空間的分解能だけでなく検出器のサイズや配置もユーザにより指定できる。モンテカルロ・モードで実行すれば、各事象についての検出器ヒット情報がファイルに書き込まれる。このファイルは小さな修正とプロッティング・プログラムにより読むことができる。ユーザは、初期の粒子または状態の質量、運動量、その他の性質を決めるために用意されている再構成プログラムの例を容易に変更することができる。


理工学(物理・化学)のページへ
トップページ
ご注文はこちら