化学センサシステムとソフトコンピューティング
(オンデマンド版)

大藪 多可志/勝部 昭明/木村春彦 著
A5・234頁・定価(本体2,600円+税)
ISBN978-4-303-01020-1
初版2001年6月発行

 概 要
日本は経済成長とともに、人類の存亡にも影響を与える種々の環境問題を引き起こしてきている。これに伴って生態系も大きく変化しつつある。これらの問題が派生したのは、我々自身が物質的豊かさ、生活レベルの向上、人間環境の快適さのみを追求してきたからに他ならない。とくに21世紀においては、環境問題である地球温暖化、廃棄物処理、有害化学物質の検知と除去などの他に、エネルギーの有効利用、高齢化社会における福祉問題は解決せねばならない大きな課題である。これらは、幅広く様々な学問領域からアプローチし解決していかなければならない。政治・経済・社会の各システムにおいても、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄による環境破壊を修正し循環システムを確立し、自然と共生を図らねばならない時代が到来している。

福祉分野においても、少子化とともに高齢者や障害者世帯が増加し、4世帯に1世帯が単独世帯となる。このため、家庭における役割分担も変遷し、これまでのシステムでは担うことが不可能である。すなわち、各個人が自立し、それら個人が連携する家庭や社会を構成することが必要である。このため、人間の健康管理・維持などもシステム的に補い健康と安全を互いに認識しあえるシステムを確立していく必要がある。

電気学会においても、著者らも加わり「環境・福祉ケミカルセンサ調査専門委員会」「センサエージェント調査専門委員会」を発足させ、化学センサを用いたあらゆる環境問題、人間らしい生活環境の維持と福祉問題を解決し、さらに、持続可能な社会を形成するための一助となるべく調査・研究を行ってきた。化学センサは、ガス、イオン、バイオなどの各センサからなり、主に汚染化学物質などの検知や認知、生体情報の収集に用いられ、環境・福祉分野にはなくてはならないものである。しかしながら、これらセンサは化学量を計るため電子回路などの一般技術者に馴染み難い面があり、早急な啓蒙と浸透が必要である。さらに、高度情報技術や種々の解析手法を駆使したセンサシステムを構築し、高度な認知処理を行うことによって人間にとって真に必要な情報の収集を図るべきである。これら認知処理においては、単なるセンサ信号の把握に留まらず、人工知能、ニューラルネットワーク、ファジィ理論、遺伝的アルゴリズム、カオスなどのいわゆるソフトコンピューティング技術をセンサシステムに搭載していく必要がある。しかしながら、ニーズが高まってきているにもかかわらずソフトコンピューティングを適用した化学センサシステムに関して記した書籍がほとんど見あたらないのが現状である。

本書は、環境・福祉問題を電気・情報・化学などの各立場から専門にしておられる方、あるいは専門にしていこうと考えておられる方々の参考書、さらに大学専門課程の教科書として執筆したものである。内容としては、各章に基本的・具体的な例題を示し、センサ信号の取り扱いと処理が理解しやすいように配慮している。また、初学者でも高度なソフトウェアがマスターできるよう最新の分野を取り上げ平易に説明している。本書が、これら専門の方々がより深く環境・福祉問題に携わり様々な問題を解決する一助となれば幸いである。(「はじめに」より)
 
 目 次
1章 化学センサの種類と原理
   [1] センサの種類
   [2] ガスセンサ
   [3] ニオイセンサ
   [4] イオンセンサ
   [5] バイオセンサ
   [6] オプティカル化学センサ
   [7] 味覚センサ
   [8] マイクロ化学センサ

2章 ソフトコンピューティングとセンサシステム
   [1] ソフトコンピューティング
   [2] センサシステム

3章 ファジィセンシングシステム
   [1] ファジィ理論とセンサシステム
   [2] ファジィ理論
   [3] ファジィセンシング
   [4] ファジィセンシングによる燻焼火災検知
   [5] まとめ

4章 人工知能
   [1] 人工知能の基礎理論
   [2] 問題の解き方
   [3] プロダクションシステム
   [4] ガスセンサシステムへの応用例

5章 ニューラルネットワークシステム
   [1] ノイマン型計算機とニューラルネットワーク
   [2] ニューラルネットワークとそのモデル化
   [3] ニューラルネットワークによる論理演算
   [4] バックプロパゲーション
   [5] ホップフィールドネットワーク
   [6] ボルツマンマシン
   [7] 化学センサへの応用

6章 遺伝的アルゴリズム
   [1] 遺伝的アルゴリズムの概要
   [2] 遺伝的アルゴリズム
   [3] 遺伝的アルゴリズムによる計算例
   [4] スキーマ定理
   [5] 遺伝的アルゴリズムの改良
   [6] 具体的な応用例

7章 カオスとフラクタル
   [1] カオス現象
   [2] フラクタル
   [3] 化学センサへの応用

8章 多変量解析
   [1] 重回帰分析
   [2] 判別分析
   [3] 主成分分析
   [4] クラスタリング
   [5] データマイニング

9章 マルチエージェント
   [1] はじめに
   [2] エージェント
   [3] センサエージェント
   [4] 実験
   [5] まとめ


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