マクルーハンの贈り物【2訂版】
インターネット時代のメディアを読み解く


中田 平 著
A5・200頁・定価(本体2,000円+税)
ISBN4-303-73213-3
初版2006年8月発行


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 概 要
メディアの本質について卓越した分析を残したマーシャル・マクルーハンが亡くなってからすでに20年以上がたちました。この本はマクルーハン思想を現代にどのように適用することができるかにチャレンジします。

第1部「マクルーハン思想の骨格」は、できるかぎり彼の生の思想にそって、その仕事の全体像をまとめます。「コミュニケーション/メディア/インフォメーション」は混同されやすい3つのタームの違いをはっきりさせるために、それぞれの概念を明らかにします。「コミュニケーション学とは何か」はコミュニケーション研究の概説ですが、とくにメディア研究がコミュニケーション研究とどう違うのかを明確にするために書かれています。「メディアとは何か」ではメディアの定義を行います。次の「メディア史観」は、メディアによって歴史が進行するというマクルーハン思想の中核である歴史観の解明を行います。メディア史観の中心は何といっても『グーテンベルクの銀河系』です。そこで、次に「『グーテンベルクの銀河系』を読む」で『グーテンベルクの銀河系』がマクルーハン思想のなかで持つ重要な意味を明らかにします。「メディアの総則」では『メディア論』の骨子となる7つのテーゼを取り上げます。また、「さまざまなメディア」ではマクルーハンが『メディア論』の第2部で取り上げた26のメディアについての彼の考えを研究します。

第2部「ポスト『メディア論』」は、マクルーハン最後の主著『メディアの法則』と『Understanding McLuhan』というCD-ROMを取り上げます。このCD-ROMにはマクルーハン思想の解説となる重要な2時間分の講義が録音つきで収録されています。「マクルーハン・ライブ」と名づけられた講義では、聴覚と視覚の対立、左脳と右脳の対比、図と地の対立、メディアの法則など、マクルーハン思想の根幹が彼自身の肉声を通して解説されています。『メディアの法則』と『Understanding McLuhan』から、私は「テトラッド」「左脳と右脳」「図と地」「視覚的空間と聴覚的空間」の4つのテーマを取り上げました。

第3部の「ポスト・マクルーハン」はコンピュータやインターネット、携帯電話から教育・経済の問題まで、とくにポール・レヴィンソンに手掛かりを得ながら、マクルーハン理論を現代に適用した私なりの理解を書かせてもらいました。「メディオロジー宣言」に関する分析は、マクルーハンを隠れ蓑にして不毛なメディア論を展開しているレジス・ドブレの批判になります。

最後に、第4部「マクルーハンを理解できたか」では、メディア論という授業を受けたと仮定して、みなさんにも、自分なりの回答を考えてもらえるように、課題をあげています。本書を通じて明らかになるように、実はメディアは私たちを取り巻く環境ですから、私たちは避けて通ることはできないからです。

マクルーハンの著作は難しくて読みにくいので、彼の本を手にとって読み始めては読み通すことをあきらめた読者や、これまで気になっていても読むまでには至らなかった人たちがたくさんいるでしょう。そんな人たちにとって、本書が再挑戦のための手引きになればと思います。


改訂にあたって
初版から3年がたち、当然ですが私たちを取り巻くメディア環境が変化しています。インターネットが社会の「基本料金」となってきているからでしょう。今回の改訂ではポスト・マクルーハンの章に2つの項目を追加しました。「『第三の波』」と「インターネットの心理学」です。アルビン・トフラーの『第三の波』は文明論の観点からマクルーハンの逆転史観を補強する社会像を提示しているからです。また、「インターネットの心理学」は、同名の書物からインターネットの登場による人間心理への新しい影響について教えられました。インターネット=バーチャルな世界というような常套句を避けるための知恵があります。その他、全体にいささか古びた記述を改めたのと、最後のマクルーハン理解の課題をいくつか入れ替えました。メディアの進化がメディア論の風化を必然しないための工夫が功を奏することを願っています。(「はじめに」より)
 
 目 次
[第1部]マクルーハン思想の骨格
    マクルーハンの生涯
    コミュニケーション/メディア/インフォメーション
    コミュニケーション学とは何か
    メディアとは何か
    メディア史観
    『グーテンベルクの銀河系』を読む
    メディアの総則
    さまざまなメディア

[第2部]ポスト『メディア論』
    『メディア論』以後
    テトラッド
    左脳と右脳
    図と地
    視覚的空間と聴覚的空間

[第3部]ポスト・マクルーハン
    『第三の波』
    インターネットの心理学
    メディオロジー宣言
    アナログからデジタルへ
    コンピュータの誕生
    コンピュータの進化
    コンピュータとオープンソース
    テキストとハイパーテキスト
    インターネットの功罪
    地球村
    “ケータイ”と超能力
    クールダウンとホッティングアップ
    アイデンティティの喪失と暴力
    教育環境の激変
    経営と労働形態の変化

[第4部]マクルーハンを理解できたか


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