地域分散エネルギー技術
(オンデマンド版)

SMART研究会 編
A5・212頁・定価(本体2,500円+税)
ISBN978-4-303-01018-8
初版2004年11月発行


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 概 要
SMART(SMall Advanced Regional-energy Technology:電力、熱、ITネットワークの構築による次世代地域分散エネルギー技術)は分散電源を統合し、ITによるエネルギーの双方向性を狙った新しいエネルギー供給システムで、自然エネルギーと分散電源システムの普及を意図している。また、東京海洋大学越中島キャンパス(東京都江東区)をモデルにその技術的、経済的、社会的な成立性を検討・研究し、その成果を実証試験に反映し、早期実用化を計画している。同システムは青森県八戸市におけるNEDO受託事業の「集中電源実証試験」と基本的な概念は同じもので、マイクログリッドと称される技術をより高度かつ実用性の高いシステムとして構築したものである。さらに、大学におけるエネルギー費の低減、機器の運用管理(保守技術の習得)、および防災と復災を含めた地域エネルギー供給を視野に入れた研究を進めている。

具体的には、SMARTシステムは、分散電源と系統電力を相互補完的に活用することにより、キャンパスなどの地域内各需要家ニーズに対応する品質別電力および熱供給を行う。情報ネットワークを最大限利用した本システムを利用することにより、地域内の電力生産と需要をきめ細かにコントロールし、エネルギーの高効率利用を阻害する負荷変動を平準化するとともに、発電出力変動の大きな太陽光や風力などの新エネルギーの導入を容易にすることを意図している。また、価格情報を制御変数としたエネルギー管理システム、電力品質保証システムおよび個々のエネルギー需要などを計測するメーターリングシステムを構築し、自然エネルギー導入とエネルギー高効率利用を可能とする。電力系統からの受電電力を平準化し、電力系統への擾乱がなく、ピーク時に受電電力をカットするなど、電力系統にとってもメリットのあるシステムを目指している。

本書では、このSMART構想の基盤ともなる省エネ、コージェネレーション(熱電併給)、マイクログリッドおよびITなどの技術を解説するとともに、電力規制緩和および防災と復災への役割などについての展望と期待を述べた。SMARTシステムは、これらの技術や考え方を基盤にして今後も進化し続けると考えられる。いずれも各界における専門家による解説および展望であり、今後の新しいエネルギーシステムを構築する技術者や経済人にとって有益な座右の書となることを期待したい。(「まえがき」より)
 
 目 次
第1章 エネルギー高度利用とSMART構想
     1.1 複合サイクルによる高効率化
     1.2 コージェネレーションによる高効率化
     1.3 SMART構想

第2章 分散エネルギーシステムの技術開発状況
     2.1 コージェネレーションの種類および導入状況
     2.2 コージェネの市場性および技術開発動向
     2.3 経済性
     2.4 空調システムの種類および導入量
     2.5 吸収式冷温水機の特徴および技術開発動向
     2.6 ガスエンジンヒートポンプの特徴および技術開発動向
     2.7 まとめ

第3章 隣組コージェネ
     3.1 エクセルギーの基礎
     3.2 ヒートポンプシステムの重要性とその評価
     3.3 隣組コージェネシステムの概要
     3.4 蓄熱給湯システムの開発状況
     3.5 隣組コージェネシステムの将来像と省エネルギー性
     3.6 まとめ

第4章 都市・建築の省エネルギー
     4.1 建物の省エネの実績と問題点
     4.2 地域冷暖房システム
     4.3 地域冷暖房の社会的効用
     4.4 地域冷暖房の熱需要家に対するメリット
     4.5 エネルギー総合効率での優位性
     4.6 まとめ

第5章 分散型電源の自立運転技術と課題
     5.1 マイクログリッド系統の構成と電源の配置
     5.2 マイクログリッド系統に接続する発電機と接続方式
     5.3 マイクログリッド系統内での自立運転の開始方法
     5.4 インバータの自立運転と負荷分担
     5.5 負荷の変動とマイクログリッドの安定化
     5.6 まとめ

第6章 マイクログリッドの国内外の比較
     6.1 マイクログリッドとは
     6.2 マイクログリッドはなぜ必要か
     6.3 マイクログリッドが目指す機能とは
     6.4 その機能を実現するための重要要素技術は何か
     6.5 個別機関のマイクログリッドの取り組みはどうなっているのか
     6.6 マイクログリッドの規格および標準化の動きはあるのか
     6.7 国内におけるマイクログリッド実現のための方向性

第7章 再生可能エネルギーの普及と開発課題
     7.1 新エネルギー等利用法(日本版RPS制度)の概要
     7.2 現時点での問題点

第8章 分散型電源と燃料
     8.1 分散型電源の種類
     8.2 分散型電源の課題
     8.3 分散型エネルギー供給
     8.4 分散型エネルギー供給で求められる燃料の特性
     8.5 ジメチルエーテル

第9章 分散エネルギー源の保守と実態
     9.1 ユーザーから見た保守の重要性
     9.2 メーカーから見た保守の重要性
     9.3 分散エネルギー源の保守の実態
     9.4 リスク評価によるメンテナンス

第10章 事業を支えるIT構想を考える出発点
     10.1 分散電源モデルにおけるエネルギーバリューチェーン
     10.2 エネルギー供給者の機能モデル

第11章 防災と復災における分散電源・貯蔵設備の役割
     11.1 阪神・淡路大震災における停電の波及効果と示唆された問題点
     11.2 緊急地震速報に基づく被災低減化についての検討状況
     11.3 都市防災・復災に重点を置いた地域エネルギー供給システムの提案

第12章 電力の規制緩和の実態と今後の展望
     12.1 電力の規制緩和の流れ
     12.2 電力の小売部分自由化と新規事業者の参入
     12.3 電力の自由化分野の拡大
     12.4 中立機関の設立と卸電力取引市場の創設
     12.5 2005年4月以降の規制緩和

第13章 SMARTシステム:分散電源ネットワークシステムと地域社会の構築
     13.1 分散電源のネットワーク化の必然性
     13.2 街づくりを支える技術としてのSMARTの基本的概念
     13.3 八戸複合エネルギーネットワーク実証試験


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