ターボ動力工学
ボイラ、蒸気タービン、ガスタービンに関連する技術の理解に必要不可欠な基礎知識を、わかりやすい言葉と図で簡潔に説明。商船・水産系大学および高専の学生はもとより、陸上の関連技術者にも役立つようにまとめられている。
[2004年4月、2版発行]
書籍データ
発行年月 | 2001年3月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 200ページ |
定価 | 2,750円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-32911-2 |
概要
ボイラ、蒸気タービンおよびガスタービンに関連する技術体系をターボ動力工学と呼んでいる。本書は、このターボ動力工学の大学・高専における教科書あるいは参考書として執筆したもので、商船・水産系大学および高専の学生の海技試験対策に対応するとともに、陸上の関連技術者にも役立つように配慮したつもりである。
海洋での一種の分散エネルギー源である船舶の機関システムは、コージェネ等の陸上分散エネルギー源の良いお手本となってきた。
今後、環境問題や燃料転換等に対応するため、地球上のすべてのエネルギーシステムは大きく変わっていく可能性がある。潜熱回収を含む高度排熱回収システムや、近年新たに登場した燃料電池やマイクロガスタービン等のシステムがどの程度普及していくか興味あるところである。
ターボ動力工学に関する基礎的な知識は、それらに柔軟に対応していくために重要であると考える。技術者には、解析(analysis)能力だけではなく統合(synthesis)能力が必要とされる。この統合能力を勉強する上で、ターボ動力工学は非常に良い教科となっている。
それは、ターボ動力工学が、力学、伝熱、流体、燃焼、制御、材料等の基礎工学の上に構築された応用工学であり、それらの知識を巧みに統合しているからである。このため複雑な現象をどの様に捉え解析するかといった「考え方」を、本書の随所に取り入れるようにした。一つ一つの現象をどのように捉え扱っていくかを習得すると、それらをまったく新しい分野の研究開発に応用できる。技術者として新たな問題に出会ったとき、役に立つのは詰め込められた知識ではなく「考え方」であると信じている。(「まえがき」より)
目次
第1章 ターボ動力の概要
[1] 歴 史
[2] ターボ動力システムの特徴
第2章 基礎熱流体工学
[1] 単 位
[2] 流体の性質と圧力損失
[3] エンタルピーとエントロピー
[4] 蒸気の性質
[5] 熱移動
[6] 熱交換と保温
[7] 沸 騰
第3章 ボ イ ラ
[1] 蒸気ボイラの概要
[2] ボイラの性能
[3] 燃焼および燃焼装置
[4] 主要装置
[5] ボイラの制御
[6] 水処理
第4章 蒸気タービンシステム
[1] ランキンサイクル
[2] ノズルにおけるエネルギー変換
[3] ブレードでのエネルギー変換
[4] 蒸気タービンの種類
[5] 蒸気タービンの構造
[6] 復水器
第5章 ガスタービンシステム
[1] ブレイトンサイクル
[2] 圧縮機
[3] 燃焼器
[4] タービン
[5] 運転および保守検査等
[6] ジェット推進システム