<マリタイムカレッジシリーズ>
商船学の数理―基礎と応用
商船学を学ぶ学生が専門科目を理解する上で必須となる数理の基礎事項について、一般科目の数学や物理の内容を補完し、関係する部分を一貫して取り扱うことにより理解を深めることができるテキスト。最も重要な三角関数、ベクトル、物理単位の換算に重点を置くとともに、応用として、船舶の運動、振動現象などを解説。
[2021年4月、2版発行]
書籍データ
発行年月 | 2014年3月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 200ページ |
定価 | 2,420円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-11540-1 |
概要
本書は、商船学を学ぶ学生が専門科目を理解する上で必須となる数理の基礎事項について、一般科目の数学や物理でカバーしきれていない点を補完でき、関係する部分を一貫して取り扱うことにより理解を深めることができる教科書を目指した。小中学生の基礎学力の低下が叫ばれて久しいが、各商船高等専門学校においても学校として、また学科として、低学年向けの補習授業などの取り組みが行われている。本書は、五校の教員による指導の経験や資料を持ち寄って構成してある。
富山高等専門学校が実施した専門科目と一般科目(理数系)の関連性の調査によると、最も重要となる項目は三角関数、ベクトル、物理単位の換算などであることが明らかとなった。CHAPTER 1から6まではとくにこれらに重点を置き、また、CHAPTER 7と8においては応用として、主に船舶の運動、振動現象などを解説する。
一貫して、説明のための対象を精選し、入学直後の初学者が、将来勉学を深めてゆく商船学の方向性を意識でき、また、基礎から無理なく学習を進めることができる平易な説明を行った。各章には例題を多く配し、習得の助けとなるよう適切な練習問題をつけた。(「まえがき」より抜粋)
目次
CHAPTER 1 基礎数学
1.1 整数の計算
1.2 文字式の計算
1.3 分数、パーセント、小数の計算
1.4 指数
1.5 平方根と累乗根
1.6 複素数
1.7 対数(常用対数と自然対数)
1.8 方程式
1.9 面積と体積
1.10 微分と積分
1.11 ギリシャ文字
1.12 関数電卓の使い方
CHAPTER 2 単位
2.1 量と単位
2.2 国際単位系(SI)
2.3 量記号と単位記号
2.4 次元
2.5 長さ
2.6 面積
2.7 体積
2.8 時間
2.9 平面角(度・分・秒)
2.10 速さ
2.11 加速度
2.12 質量
2.13 密度
2.14 力
2.15 圧力
2.16 応力
2.17 仕事
2.18 仕事率
2.19 電流
2.20 電圧
2.21 抵抗
2.22 オームの法則
CHAPTER 3 三角比の基本定理
3.1 三角比の定義
3.2 角度の定義
3.3 三角比の性質
3.4 余弦定理と正弦定理
3.5 三角比からの角度の導出
3.6 三角比に関するその他の公式
CHAPTER 4 三角比を使用した問題
CHAPTER 5 座標系と座標変換
5.1 三角関数の定義と座標表示
5.2 三角関数における角度の求め方
5.3 極座標(船舶における座標系)
5.4 直交座標と極座標の関係
CHAPTER 6 相対関係とベクトル
6.1 相対的な位置関係
6.2 ベクトル表現
6.3 相対速度
CHAPTER 7 船舶の運動現象の数式化
7.1 運動の基礎
7.2 喫水とトリム
7.3 船の操縦性指数
CHAPTER 8 周期的な振動
8.1 線形1階微分方程式による増大・減衰系現象の理解
8.2 線形2階微分方程式による減衰・振動系現象の理解
プロフィール
CHAPTER 1 山口伸弥(大島商船高等専門学校)
CHAPTER 2 二村 彰(弓削商船高等専門学校)
CHAPTER 3~6 笹 健児(神戸大学)
CHAPTER 7 鎌田功一(鳥羽商船高等専門学校)
CHAPTER 8 千葉 元(富山高等専門学校)
編集幹事 清水聖治(大島商船高等専門学校)