飾り毛布 花毛布 新38選
―あたたかい日本のおもてなし
飾り毛布・花毛布は、1枚の毛布を花や自然の風景、動物などの形に折って船室に飾る、百年を超える歴史を持つ日本船独自のおもてなし。好評既刊「飾り毛布 花毛布」を全面改訂、大幅に増頁し、38種の作品と折り方をフルカラーで紹介。一部は動画も提供。この文化を継承している船会社や組織、折り手のプロフィールも掲載。
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書籍データ
発行年月 | 2016年11月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 160ページ |
定価 | 1,980円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-63439-1 |
概要
飾り毛布・花毛布は、1枚の毛布を花や自然の風景、動物などの形に折って船室に飾る、日本船独自のおもてなしです。
100年以上にわたり洋上で引き継がれてきた飾り毛布・花毛布は、船室に華やかさを添えよう、船にあるものを使ってお客様に喜んでもらおう、敬意と思いやりを伝えようという船員の創意と工夫から生まれました。
本書では、現役船員や元船員の折り手による38種類の作品と折り方を、わかりやすく紹介します。ぜひ一度お手元にある毛布で、毛布がなければ大判のタオルや張りのあるひざ掛けなどで折ってみてください。本の後半では、飾り毛布・花毛布に関わっている船会社や組織・ホテルと折り手のプロフィール、飾り毛布・花毛布の継承に取り組む人々について紹介します。
前著発行から4年が経ち、現在もこの伝統を引き継いでいる船への愛着と船員の皆様との交流が深まる一方で、飾り毛布・花毛布を提供する船との新たな出会いもありました。取材を続けながら積み重ねてきた、たくさんの記録と心温まる思い出。今回はそれを活かして、紙上でも船旅の楽しさを味わっていただけるようなページを作りました。
「毛布コレクション」と「にっぽん丸花毛布Gallery」では、会社ごとに特徴のある毛布のデザインとバラエティに富んだ作品の数々をお楽しみください。「船で巡る」のページでは、取材先でのすばらしい体験にもとづき、各航路の美しい自然やそれぞれの歴史、地元の料理や特産物などを紹介します。
本書を通して、飾り毛布・花毛布の奥深さに触れ、船の文化や船の旅に興味を持っていただければ幸いです。船から生まれたこのおもてなしが、これからも永く継承されていくことを、心から願います。(「はじめに」より)
目次
はじめに
飾り毛布・花毛布の歴史
飾り毛布・花毛布の種類
毛布コレクション
飾り毛布・花毛布の作品集(38作品)
飾り毛布・花毛布の折り方
折り始めの説明
飾り毛布・花毛布の基本型6種
美しく仕上げるコツ
飾り毛布・花毛布の折り方(38作品)
会社と折り手紹介
商船三井客船/にっぽん丸花毛布Gallery
マルエーフェリー/船で巡る(1)奄美大島
奄美海運/船で巡る(2)喜界島
宇和島運輸フェリー/船で巡る(3)八幡浜・別府
神新汽船/船で巡る(4)神津島
日本海洋事業
三島村村営フェリー
十島村村営フェリー
海技教育機構(旧航海訓練所)
ホテルパラディスイン相模原
海外クルーズ客船のおもてなし
継承の取り組み
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸
明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部
神奈川県立海洋科学高等学校
飾り毛布・花毛布の展示船紹介
氷川丸
摩周丸
帆船日本丸
エル・マールまいづる
折り方ページ作品と折り手一覧
参考文献/資料提供・取材協力
謝辞
英文案内
動画の紹介
プロフィール
上杉恵美(うえすぎめぐみ)
1960年千葉県生まれ。学習院大学人文科学科イギリス文学専攻博士前期課程修了。明海大学ホスピタリティ・ツーリズム学部教授。ゼミのテーマは、「日本を英語で案内しよう」。
「客船のホスピタリティ」に関する資料収集のため訪れた博物館で飾り毛布に出会い、以来、飾り毛布に関する調査研究活動を始める。2009年7月から大学ゼミで「飾り毛布実習」を行い、飾り毛布を通して学生たちに日本独自のおもてなしを学ぶ場と船への関心を抱く機会を提供している。
吉田孝志(よしだたかし)
1959年北海道長万部町生まれ。1978年、国鉄青函連絡船の事務部乗組員として、津軽丸、石狩丸などに乗船勤務。上司の飾り毛布の妙技に魅了され、この伝統に関心を抱く。1988年、青函連絡船の終航により、東日本旅客鉄道株式会社に転属。現在は横浜支社相模原運輸区で運転士として勤務している。
2009年7月から、明海大学上杉ゼミの「飾り毛布実習」で、飾り毛布の折り方の指導を開始。船の科学館・羊蹄丸での「飾り毛布実演」を経て、青函連絡船史料研究会の講演会等を通じ、飾り毛布の継承と普及に努めている。
森本泰行(もりもとやすゆき)
1980年兵庫県生まれ。国立清水海員学校司ちゅう・事務科を卒業後、新日本海フェリー株式会社に入社し、事務部乗組員として乗船勤務。
現在は、ホテルパラディスイン相模原の取締役支配人として、ホテル業務を担いながら飾り毛布の浸透に力を注ぐ。
小学生の頃に乗船したフェリーの客室で見た花毛布に感銘を受け資料収集を続ける。2010年12月、船の科学館羊蹄丸での飾り毛布実演の見学を機に、上杉・吉田の飾り毛布継承活動に合流。2013年6月から明海大学の上杉ゼミの飾り毛布実習で折り方の指導を開始。
その他
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