<北水ブックス>
海をまるごとサイエンス
―水産科学の世界へようこそ
北大水産学部の研究者が中心となって水産科学の魅力を語る「北水ブックス」創刊。最新の研究や活動を、オールカラーで、ライブ感、わくわく感たっぷりに紹介します。第1弾は11人の共著。クジラやイルカ、サケ、チョウザメ、ヤドカリから微生物まで、さらに海の渦、北極海、深海底、メタゲノムの話など、興味深い話題満載です。
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書籍データ
発行年月 | 2018年8月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 128ページ |
定価 | 1,980円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-80001-7 |
概要
海は広いな大きいな……。有名な唱歌「海」(作詞:林柳波、作曲:井上武士)は、広大な海を情感豊かに表現した素晴らしい歌ですが、海の魅力はこの歌でも伝えきれないほどたくさんあります。海は広く大きく、さらに深いです。大波が揺れ、凸凹していて、流氷も漂います。そして多様な生命を産み育んできました。
私たちは海について、どれくらいのことを知っているのでしょうか。じつは知らないことだらけ、分かっていないことだらけです。けれども海は、人間にとって貴重な食糧となる魚介類を育み、地球の環境に大きな影響を与えています。驚異に満ちた生命現象にあふれ、私たちがドキドキわくわくするような新発見がたくさん眠っている、知的好奇心や冒険心をかきたてられる場所なのです。生物が好きな人、化学や工学に興味をひかれる人、数学や物理学で世界を美しく解き明かしたい人、そんな人たち全員にとって、海は大きな大きなビックリ箱です。なにが飛び出すか分かりません。
北海道大学水産学部の教育を担当している私たちは、教員であると同時に、さまざまな形で海を解き明かしたいと願っている研究者でもあります。大学生や大学院生たちと毎日楽しく奮闘しています。この本は、私たちの活動の一端をみなさんにお見せして、海で研究する魅力を伝えたいと願って書きました。
研究活動は型にはまったものではなく、ひとつの大学・学部のなかでもさまざまです。研究室ごとに独自の文化も持っています。そんな日常がうまく伝わるように、この本では、あえて章ごとのスタイルを統一しすぎないようにしました。読者のみなさんには、あちこちの研究室を訪問して先生とおしゃべりしているような気分で、この本を楽しく読んでもらいたいと思っています。
さあ、海をまるごとサイエンスしてみましょう。(「はじめに」より)
目次
第1章 海に棲む哺乳類に会いにいこう(三谷曜子)
第2章 叫びたくなるサケの凄技!:母川刷込の解明を目指す(工藤秀明)
第3章 諸事情により海に下らないサケ・マス(清水宗敬)
第4章 殖えない魚を殖やしたい:難種苗生産魚種への挑戦(井尻成保)
第5章 水中で身体測定:画像処理技術で魚の成長を把握する(米山和良)
第6章 動物が好きな人へ:行動生態学をヤドカリで紹介する(和田哲)
第7章 海面の凸凹は海の天気図(上野洋路)
第8章 北極海から氷がなくなる?!(野村大樹)
第9章 小さな生き物から地球を知る(松野孝平)
第10章 覗いてみようミクロな世界:海の極限環境微生物を科学する(美野さやか)
第11章 海の遺伝子で薬をつくる?!(藤田雅紀)
プロフィール
三谷 曜子(みたに ようこ)北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
工藤 秀明(くどう ひであき)北海道大学大学院水産科学研究院
清水 宗敬(しみず むねたか)北海道大学大学院水産科学研究院
井尻 成保(いじり しげほ)北海道大学大学院水産科学研究院
米山 和良(こめやま かずよし)北海道大学大学院水産科学研究院
和田 哲(わだ さとし)北海道大学大学院水産科学研究院
上野 洋路(うえの ひろみち)北海道大学大学院水産科学研究院
野村 大樹(のむら だいき)北海道大学大学院水産科学研究院
松野 孝平(まつの こうへい)北海道大学大学院水産科学研究院
美野 さやか(みの さやか)北海道大学大学院水産科学研究院
藤田 雅紀(ふじた まさき)北海道大学大学院水産科学研究院
その他
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<既刊の北水ブックス>
出動!イルカ・クジラ110番(松石隆)
魚類分類学のすすめ(今村央)
北海道の磯魚たちのグレートジャーニー(宗原弘幸)
プランクトンは海の語り部(松野孝平)
凍る海の不思議(野村大樹)
卓越年級群(髙津哲也)
ヤドカリに愛着はあるが愛情はない(石原千晶)
海で身体のすべてを耳にする(富安信)
AIが切り拓く養殖革命(石若裕子 編著)
道南おさかな図鑑(魚に魅せられた北大の研究者たち)