<北水ブックス>
出動!イルカ・クジラ110番
―海岸線3066kmから視えた寄鯨の科学
海岸に打ち上げられたクジラがいると聞けば、現地に駆けつけ貴重な研究試料を採取する。網にかかったイルカがいれば、一時保護し海へ帰す。そんな活動の中心となって奮闘している著者が、学生とともに北海道の海岸線3066kmを駆け巡り、積み重ねてきた調査の実際、驚きのエピソー
ド、そこから生まれた研究の数々を紹介する。
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書籍データ
発行年月 | 2018年11月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 128ページ |
定価 | 1,980円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-80002-4 |
目次
出動
第1章 鯨類とは
鯨は京きな魚ではない
クジラのヒゲは口のなかに生えている
クジラとイルカの見分けかた
まだ新種の発見が続く
大型鯨類より大きな小型鯨類
鯨は絶滅に瀕している?
第2章 寄鯨
鯨が打ち上がると地震が起きるのか
寄鯨報告急増中
海岸線3066kmで寄鯨を集める
寄鯨調査は解体ショーではない
601件の寄鯨報告
第3章 北海道にストランディングする鯨類たち
ネズミイルカ―報告件数第1位
ミンククジラ―目印は胸鰭の白い帯
イシイルカ―日本近海に35万頭が棲息
カマイルカ―背鰭が鎌の形をしてるから
オウギハクジラ―口から扇形の歯がとび出している
ハッブスオウギハクジラ―希少種の標本から多くの研究が
マッコウクジラ―世界最大のハクジラ
ツチクジラ―イルカみたいな顔をしたクジラ
【コラム】ツチクジラは美味しい
ザトウクジラ―ホエールウォッチングの人気者
【コラム】鯨類の鳴音
【コラム】鯨類の名前よもやま話
第4章 寄鯨調査にもとづく研究
ハクジラ類は何を食べているか
イルカのクリックス音はパッとチッ
網に入ったネズミイルカの脱出
ネズミイルカはメスのほうが大きい
ネズミイルカが通り抜けられる幅
第5章 北海道大学鯨類研究会―学生たちの挑戦
鯨に魅せられた学生たち
北水祭で大行列
津軽海峡の鯨類を追う
発見したカマイルカは2万5000頭以上
【解説】ライントランセクト法の原理
臼尻でのネズミイルカ混獲調査
【コラム】函館は日本一の昆布生産地
学生の「やりたい」に引きずられて
第6章 函館と鯨
縄文時代~中世
アイヌ人と鯨類
函館開港
鯨族供養塔
北大水産学部の鯨骨格標本
鯨汁
第7章 なぜ北大水産学部が鯨類の研究をするのか
私の経歴
北大水産学部の位置づけ
幅広い研究分野
鯨類と他の水産科学との関係
鯨を通して海を知る
プロフィール
松石 隆(まついし たかし)
1964年東京生まれ。私立武蔵高等学校,東京大学教養学部基礎科学科第二を経て,大学院は東京大学海洋研究所に所属。博士(農学)を東京大学より取得。1993年北海道大学水産学部に赴任。専門は,水産資源学および鯨類学。現在,北海道大学国際連携研究教育局・水産科学研究院教授。ストランディングネットワーク北海道代表,北海道大学鯨類研究会顧問。フルート奏者としてステージに立つこともある。
その他
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<既刊の北水ブックス>
海をまるごとサイエンス(海に魅せられた北大の研究者たち)
魚類分類学のすすめ(今村央)
北海道の磯魚たちのグレートジャーニー(宗原弘幸)
プランクトンは海の語り部(松野孝平)
凍る海の不思議(野村大樹)
卓越年級群(髙津哲也)
ヤドカリに愛着はあるが愛情はない(石原千晶)
海で身体のすべてを耳にする(富安信)
AIが切り拓く養殖革命(石若裕子 編著)
道南おさかな図鑑(魚に魅せられた北大の研究者たち)