ふしぎ?なるほど! 海の生き物図鑑

山本智之 著

科学ジャーナリストとして海洋生物の取材を続ける著者のウェブ連載を書籍化。進化のふしぎ、新種の発見、深海の謎、光る生物をキーワードに、激レア生物「アミダコ」や、怪魚「ヨコヅナイワシ」、深海のエイリアン「タルマワシ」など、21のトピックを、最新の科学研究の成果も交えながら、魅力的な写真と共にお届けします。

書籍データ

発行年月 2024年7月下旬
判型 A5
ページ数 128ページ
定価 2,090円(税込)
ISBNコード 978-4-303-80091-8

概要

 この本は、株式会社アンサー(東京都新宿区)のホームページ上で2021年5月以降、毎月連載している科学コラム「山本智之の海の生きもの便り」(https://www.uw-answer.com/column/)から生まれました。(中略)
 執筆にあたっては、国内各地の大学や研究機関の研究者、水族館関係者、ダイビング事業者など、多くの方々のご協力をいただきました。この場を借りて、心より御礼申し上げます。
 私は水中写真の撮影を始めて30年余りになります。撮影した写真の数々が今回、本という形で実を結ぶことになり、とてもうれしく思います。これからもどんどん海に出かけて写真を撮り、海洋生物との新たな出会いを楽しみ、その生態を探り続けたいと考えています。
 これまでに私が執筆した『温暖化で日本の海に何が起こるのか』(講談社ブルーバックス、2020年)などの科学図書では、海の生態系をめぐる環境問題の深刻さに焦点を当ててきました。一方、今回の本では、最新研究の成果も交えながら、海の生物の不思議さ、面白さに迫りました。
 日本は四方を海に囲まれた島国です。しかし、都市化の進行やライフスタイルの変化に伴い、日本人は昔に比べて海に親しむ機会が減っているのではないかと感じます。この本がきっかけとなり、一人でも多くの方に海の楽しさ、海洋生物の魅力を感じてもらえたらと願っています。(「あとがき」より抜粋)

目次

Part 1 進化のふしぎ~軟体動物編
 激レア生物「アミダコ」との遭遇
 アンモナイトの子孫?〈上〉
 アンモナイトの子孫?〈下〉
 太陽を食べる貝
 ウミウシ~「進化のふしぎ」の宝庫

Part 2 進化のふしぎ~刺胞動物編
 「不老不死」のクラゲ
 クダクラゲ~世界で一番長い動物
 長い年月が育む「宝石サンゴ」
 ウミエラとは何者か?

Part 3 新種の発見!
 ヤドカリの家を増築するイソギンチャク
 怪魚「ヨコヅナイワシ」の見つけ方とは?
 新種のクモヒトデと甲殻類
 クリオネの仲間たち

Part 4 深海に秘められた謎
 ‘深海のエイリアン’と呼ばれるタルマワシ
 古代魚シーラカンスを追う
 「水中ドローン」で深海生物を見た!

Part 5 妖しく光る生物たち
 ウミホタルの輝き
 「発光魚」はなぜ光るのか?
 発光物質を盗む魚がいる?
 ゴカイもクモヒトデも光る!
 「光るクラゲ」とノーベル賞

あとがき
著者おすすめの関連図書
索引

プロフィール

山本智之(やまもと・ともゆき)
1966年生まれ。科学ジャーナリスト・朝日新聞記者。東京学芸大学大学院修士課程修了。1992年朝日新聞社入社。環境省担当、宇宙、ロボット工学、医療などの取材分野を経験。1999~2000年に水産庁の漁業調査船に乗り組み、南極海で潜水取材を実施。2007年には南米ガラパゴス諸島のルポを行うなど「海洋」をテーマに取材を続けている。科学調査への同行を含め、国内外での潜水経験は約600回。朝日新聞科学医療部次長、朝日学生新聞社編集委員などを歴任。近著は『温暖化で日本の海に何が起こるのか』(講談社ブルーバックス)。X(ツイッター)は@yamamoto92。講演・番組出演等のご依頼はizu@net.email.ne.jpへ。