海事基礎英語
―IMO標準海事通信用語集準拠(CD付)
本書は、STCW条約によって習得が義務付けられているIMO標準海事通信用語集のPart A(船外通信と重要な船内通信を含む)に重点をおき、また、正しい発音・発声を身につけながら効率よく海事英語が学習出来るように、海事英語の教科書として初めてCDを付けて執筆編集したものである。
[2016年4月、2版5刷発行]
書籍データ
発行年月 | 2002年4月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 196ページ |
定価 | 2,640円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-23330-3 |
概要
本書は、現在STCW条約で選定されつつある標準の海事英語に関して、船舶に乗り組む船員(主としてDeck Officer)が最低知っておくべき専門的な口語について解説したものである。
本書を学ぶことによって、船員として業務上最低必要な万国共通の海事英語表現が会得できるとともに、船舶の運航に関する最低の知識も得られるように解説を付して記述してある。したがって、本書の知識をマスターすれば一応船員らしい(すなわちSeamanshipを備えた)表現と海事知識が得られる。
このような英語は、その意味を間違って取ったり、知らなかったりすると火急の場合に間に合わず、大変な事態になることもあり、反射的に出てこなければならない。したがって、ここに出てくる英語は繰り返し、繰り返し練習し覚えていただきたい。最近「暗記せよ」という教育はあまり良くないと言われているが、本書の英語は船員となる必須条件であり、いわば飯の種である。覚えておかないと命に関わることにもなる。
執筆は、東京商船大学で英語を専門にする高木、内田助教授が原文を書き、それを筆者がチェックする形で進めた。また、Native SpeakerによるCDも付録として付けており、これによって正しい発音やイントネーションが学べるようになっている。(「監修のことば」より)
目次
Lesson 1 総 説
1.1 SMCPの使用を促す手順
1.2 スペリングおよび数字
1.3 メッセージマーカー
1.4 応 答
1.5 [遭難・緊急・安全] 信号
1.6 感度の確認とチャンネルや周波数の設定
1.7 訂 正
1.8 メッセージの受け入れ状態
1.9 反 復
1.10 数 字
1.11 位置の表し方
1.12 方位の表し方
1.13 針路の表わし方
1.14 距離の表わし方
1.15 速力の表わし方
1.16 時刻の表わし方
1.17 地 名
1.18 助動詞may, might, should, couldおよびcanの用法
Lesson 2 自船の情報の通報
2.1 信号符字
2.2 旗 国
2.3 位置・針路・速力
2.4 目的地および寄港地
2.5 到着および出発予定時刻
2.6 喫水・乾舷・エアドラフト・余裕水深
2.7 積 荷
2.8 傾 き
Lesson 3 操舵号令・機関号令および当直の引継ぎ
3.1 操舵号令
3.2 機関号令
3.3 スラスターに関する号令
3.4 当直の引継ぎ
Lesson 4 投錨・抜錨・錨泊
4.1 投錨・錨泊(船外通信)
4.2 投錨(船内通信)
4.3 抜錨(船内通信)
Lesson 5 出入港
5.1 外部との交信
5.2 着 桟
5.3 離 桟
5.4 タ グ
Lesson 6 水 先
6.1 水先人の要請
6.2 パイロットの乗下船
6.3 船橋におけるパイロット
Lesson 7 VTSとの交信
7.1 航行支援
7.2 航路通航管理
7.3 取り締まり
7.4 安全のための連絡
7.5 運河・水門の通過
Lesson 8 遭難通信
GMDSSの概要
8.1 火災・爆発
8.2 浸 水
8.3 衝 突
8.4 座 礁
8.5 傾斜と転覆の危険
8.6 沈没,船体放棄
8.7 航行不能状態での漂流
8.8 武器による攻撃・海賊行為
8.9 その他の遭難通報
8.10 海中転落
8.11 遭難通信の例
Lesson 9 捜索救助活動
9.1 捜索救助の依頼
9.2 捜索救助メッセージの受信確認と中継
9.3 捜索救助活動
9.4 捜索救助活動の終了
9.5 医療援助の要請
9.6 ヘリコプターとの交信
Lesson 10 緊急通信および安全通信
10.1 緊急通信
10.2 緊急通信の例
10.3 安全通報
10.4 安全通報の例
Lesson 11 航海警報
11.1 陸上または海上の標識
11.2 漂流物
11.3 電子航行援助装置
11.4 海底の状況・沈没船
11.5 ケーブル等の敷設
11.6 潜水作業・曳航
11.7 荷 役
11.8 沿岸施設
11.9 水門や橋の故障
11.10 軍事演習
11.11 漁 労
11.12 環境保護