<北水ブックス>

魚類分類学のすすめ

―あなたも新種を見つけてみませんか?

今村央 著

分類学って難しそうだし、デスクワークなのでは?と思ったあなた、まさに「目から鱗」間違いなし!
新種発見のワクワク感、世界を巡る標本観察の旅、名前を付けるときのとても面倒な決まり事、標本づくりやスケッチのテクニックから論文の書きかたまで、興味深い話題が満載です。
北水ブックス第3弾、もちろんオールカラー。
[2021年6月、2版発行]

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書籍データ

発行年月 2019年6月
判型 A5
ページ数 128ページ
定価 1,980円(税込)
ISBNコード 978-4-303-80003-1

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概要

本書では分類学を主軸として、私の研究対象である魚類はもちろんのこと、分類学にとっての法律書である国際動物命名規約、実際に観察する標本とその重要性などについて、実例を紹介しながら解説した。読者対象としては、おもにこれから志望大学を考える高校生と、どのような研究室へ行くかを考える大学生を念頭に置きながら執筆した。大学や研究室を選ぶときの参考にしてもらえれば幸いである。本書を読了後に、将来は魚類の分類をやってみたいと考える人が現れたなら、これ以上の喜びはない。また、本書には魚類分類学に関するいろいろな情報を詰め込んだつもりなので、この分野の研究を始めて間もない大学4年生や修士課程の学生のみなさんにも参考になるのではないかと思う。その他にも、学問の対象としてではなく、魚そのものに興味があって、釣りや水族館で魚を眺めているのが好きな方もいるだろう。そんな読者にも、本書を通じて、どのように魚は分類されているのか、そしてどのように命名されているのかを知っていただけると、たいへんうれしい。(「はじめに」より)

目次

第1章 分類学とは?
 【コラム】分類階級と分類群
 種を分類するには
 【コラム】成長変異の例
 属や科を分類するには
 分類群の定義と分類形質
 単系統群と非単系統群
 分類学の意義
 【コラム】あなたも新種を見つけてみませんか?
 【トピック】内村鑑三に見る北大魚類分類学の源流

第2章 魚類とは?
 魚類はひとまとめにできない?
 ヌタウナギ綱 ―粘液孔からヌタを出す
 ヤツメウナギ綱 ―7つの鰓孔で「八つ目」
 軟骨魚綱 ―体の骨格は軟骨でできている
 硬骨魚綱 ―体の骨は人と同じで硬い

第3章 国際動物命名規約について
 学名の表しかた
 【コラム】疋田豊治博士について
 公表の要件
 適格名と有効名
 先取権の原理 ―「早い者勝ち」のルール
 学名には基準がある ―担名タイプの指定
 種は違うけれど名前は同じ ―同名関係
 【トピック】学名が変わっても和名は変わりません

第4章 標本が分類学を支えている
 標本を管理・保管することの大切さ
 標本があって研究が進んだ例
 【コラム】コチ科魚類の虹彩皮膜
 標本がなくて苦労した例
 魚類標本のつくりかた

第5章 研究の進めかた ~論文投稿までの道のり~
 標本の観察 ―面倒だけどとても重要
 データ解析 ―これぞ研究の醍醐味
 論文に必要なデータをそろえる ―事前の準備は周到に
 いよいよ執筆
 【コラム】魚体図の描きかた
 学術雑誌に投稿する
 【トピック】新種発見のエピソード

第6章 標本観察で世界を旅する
 海外での標本観察
 研究以外の生活
 海外出張にともなう役得?!
 休日は博物館や美術館、演奏会へも
 現地の研究者やスタッフとの交流

魚体図ギャラリー

プロフィール

今村 央(いまむら ひさし)
1965年福岡県生まれ。福岡県立城南高等学校、北海道大学水産学部、北海道大学大学院水産学研究科を経て、同大学より博士(水産学)を取得。科学技術振興事業団科学技術特別研究員として東北区水産研究所八戸支所でポスドクを経験後、1999年北海道大学総合博物館に赴任、2009年同大学大学院水産科学研究院に異動。現在は同研究院教授、総合博物館水産科学館長を兼任。
専門は魚類系統分類学。日本魚類学会、日本動物分類学会、アメリカ魚類・爬虫類学会会員。
著書に『山渓カラー名鑑 日本の海水魚』(共著、山と渓谷社)、『日本動物大百科 6 魚類』(共著、平凡社)、『魚の形を考える』(共著、東海大学出版会)、『海の動物百科 3 魚類II』(共訳、朝倉書店)、『東北フィールド魚類図鑑 沿岸魚から深海魚まで』(共著、東海大学出版会)、『魚類学』(共著、恒星社厚生閣)などがある。
趣味は弦楽器(ヴィオラ、ヴァイオリン)演奏で、函館市内のアマチュアオーケストラに参加する。

その他

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<既刊の北水ブックス>
海をまるごとサイエンス(海に魅せられた北大の研究者たち)
出動!イルカ・クジラ110番(松石隆)
北海道の磯魚たちのグレートジャーニー(宗原弘幸)
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