<マリタイムカレッジシリーズ>
船の電機システム[ワークブック]
マリンエンジニアを目指す学生を対象にした教科書「船の電機システム」の内容に準拠したワークブック。船舶運航に必要な電機システム、電気工学技術について理解を深め、海技試験に合格するための、精選された問題とその解答・解説を掲載。ミシン目入りなので、ページをちぎってノートに貼るなど、いろんな使い方ができる。
書籍データ
発行年月 | 2015年10月 |
判型 | A5 |
ページ数 | 136ページ |
定価 | 1,540円(税込) |
ISBNコード | 978-4-303-31501-6 |
概要
本書は、マリンエンジニア(機関士、海事関連技術者)を目指す学生を対象にした教科書「船の電機システム」のワークブックとして作成されたものです。また、船舶における電機システムの問題集はほとんどないことから、この部分に特化して問題が作成されています。そのため、本書はCHAPTER 2から始まります。教科書のCHAPTER 1は、電気機器の基礎について記述されていますので、問題を解く際の参考にしてください。各問題は教科書に準拠して掲載順に出題されており、解答しやすいように工夫されています。船舶運航に必要な電機システム、電気工学技術について理解を深めてもらうため、また、海技免状の取得を目指してもらうために、精選された問題だけを本書に掲載しました。とくに、海技士国家試験に出題される内容が理解できるように、問題を作成しています。このワークブックを活用すれば、初等機関士として最低限必要な電気工学の知識を理解できると考えています。
本書は、表紙に記したように「ちぎって使える!」をコンセプトに作成されています。各問題をワークブックから切り離せることが特徴であり、問題をノートに貼って、読者自身が解答をまとめられるようになっています。問題と解答が見比べやすいように、問題のページと解答のページは交互に配置されています。解答、解説をアレンジしながら、読者自身が見やすい解答ノートを作成してほしいと思います。解答は教科書も参考にして、自身で納得のいく、わかりやすいノートに仕上げてください。
教科書には記載されていないが重要となる部分については、教科書補足事項として問題ページに記載しており、問題を解く際のヒントになっています。また、海技士国家試験には出題されていないが重要な部分については、コラムとして記載しています。この部分についても目を通してほしいと思います。
現在、大気汚染防止対策として、入港中は船内電源を陸電に切り替えるなどの措置が検討されています。この対策が進むと、陸上の送電電圧(6600V)に合わせるように船舶の高電圧化が加速され、電気推進船も普及していくと考えられます。今後は、自然エネルギー、再生可能エネルギーによる発電も要求され、さらにパワーエレクトロニクス技術による電動機制御の高精度化、省エネルギー化、大電力化が期待されています。船舶における電機システムの占める割合は高くなり、電気工学技術の修得が重要になっていくでしょう。これらのことを念頭に置いて、教科書とともに本書を活用し、船舶に必要な電気工学知識を理解しておいてほしいと考えます。
執筆者一同、読者のみなさんが海技士国家試験に合格できるように、また、将来は機関士として、さらには機関長として活躍してもらえるように、と思いながら、教科書に引き続き本書を執筆しました。ぜひ、機関長、機関士として乗船し、日本経済を支え、担ってほしいと願っています。飛躍を期待するとともに、本書がその一助になればと考えます。(「読者へのメッセージ」より抜粋)
目次
CHAPTER 2 変圧器
2.1 変圧器の原理
2.2 変圧器の構造
2.3 変圧器の理論
2.4 変圧器の結線
2.5 計器用変成器
2.6 単巻変圧器
CHAPTER 3 同期発電機
3.1 同期発電機の原理
3.2 同期発電機の構造
3.3 同期発電機の理論
3.4 同期発電機の並行運転(並列運転)
3.5 同期発電機の保守
CHAPTER 4 誘導電動機
4.1 三相誘導電動機の種類と構造
4.2 三相誘導電動機の原理
4.3 三相誘導電動機の理論
4.4 三相誘導電動機の特性
4.5 三相誘導電動機の運転
4.6 特殊かご形誘導電動機
4.7 単相誘導電動機
4.8 三相誘導電動機の保守
CHAPTER 5 シーケンス制御
5.1 シーケンス制御の部品と記号
5.2 シーケンス制御基本回路
5.3 シーケンス制御応用回路
CHAPTER 6 パワーエレクトロニクス
6.1 電力用半導体
6.2 整流回路と順変換
6.3 インバータ
CHAPTER 7 船舶における電気技術
7.1 配電システム
7.2 非常用電源
7.3 軸発電機
7.4 電気推進船
〔コラム〕
電気絶縁材料の耐熱クラス
電動機の正転逆転シーケンス制御回路
高圧配電システム
絶縁抵抗計(メガー)による測定法と測定時の注意事項
船内配線
プロフィール
CHAPTER 2 大山博史(広島商船高等専門学校)
CHAPTER 3 窪田祥朗(鳥羽商船高等専門学校)
CHAPTER 4 山本桂一郎(富山高等専門学校)
CHAPTER 5 村岡秀和(広島商船高等専門学校)
CHAPTER 6 村岡秀和
CHAPTER 7 伊藤正一(大島商船高等専門学校)/吉岡勉(大島商船高等専門学校)/清水聖治(大島商船高等専門学校)/向瀬紀一郎(弓削商船高等専門学校)/大山博史/窪田祥朗/山本桂一郎/村岡秀和
コラム 大山博史/村岡秀和/向瀬紀一郎
イラスト制作 向瀬紀一郎
編集幹事 窪田祥朗